駐日イタリア大使館の後援を受け、一般社団法人SALUTE・健康増進イタリア料理協会とクリマ ディ トスカーナの共催にて、「世界イタリア料理週間 2024」のイベントとして講座付きディナーを開催いたしました。
大使館からは、農業・食料アタッシェ(専門性をもつ外交使節団員)のアンナ・イエーレさん、経済・商務部のアレッサンドロ・クレメンティさんがご来場。
イエーレさんから、「今年の世界イタリア料理週間のテーマは、まさに『地中海式食事とルーツの料理:健康と伝統』です」とご挨拶がありました。
トスカーナの三ツ星店「エノテカ ピンキオーリ」ほかで修業歴をもつ佐藤 真一シェフのお料理は、まずパスタ エ ファジョーリにサルシッチャ(豚のソーセージ)をのせたアレンジ料理から。2色のスフォルマート、ビーツとホタテ、カリフラワーとムール貝が続きます。
気を補うカツオにみかんをのせて気を巡らせ、ライチーくらいの大きさまで乾燥させたドライレモンをすりおろし、
添えたリゾットには、血流をよくするターメリックが使われています。
Italian Week 100の今年のテーマ「発酵の可能性」の特別料理、「パスタ エ ファジョーリ」の再構築は、白インゲン豆に麹を加えて1か月発酵させたものをカッペッレッティの詰め物に。チーズもサルーミも使っていないのに、詰め物に深みがあることに大使館のお二人も驚き、発酵の力を感じました。「散らしたパンチェッタ(塩漬け豚肉)がなければ、ヴィーガン料理になります」と佐藤シェフ。
蝦夷鹿にポルチーニのソース、付け合わせに長芋という血と気を補う組み合わせは、イタリア人ゲストのお二人も絶賛。クローブ、スターアニス、コリアンダー、カルダモン、白コショウのスパイスは、強すぎず弱すぎずの塩梅でソースに生かされ、体を温める効能も。
ドルチェは、南イタリア、アヴェッリーノの栗粉を使ったクレープ「ネッチ」。対馬のハチミツでネットリした食感と濃厚さを足しています。
クルミとゴマのブルッティ・マ・ブオーニにいたるまで、東洋医学では冬に養うべき腎に作用するとされる食材が山ほど使われ、しかもどれも、味の調和から外れた突飛さがない。佐藤シェフの豊富なアイデアと、それを裏打ちする高い技術、坪井ソムリエからなみなみと注がれたトスカーナのワインに、イタリア大使館のゲスト2人も含めて、全員がご満足の表情でお帰りくださった会となりました。