SALUTE・健康増進イタリア料理協会主催の料理教室第二回目を行いました。テーマは「冬の養生」です。
冬は寒く、植物は枯れ、動物は冬眠に入り、栄養を蓄えて春を待つ時期です。寒さと乾燥に気をつけて、睡眠を充分に取ってゆったりとした気持ちで過ごします。
冬は腎の働きが盛んになります。腎には全身の陰陽の源である精気が蓄えられています。腎の陰と陽をどちらとも滋養することが大切です。
冬におすすめの食材は、
◎体を温める食材 ねぎ、しょうが、にら、唐辛子、あじ、さけなど
◎腎の陽を補う食材
気を補い陽気を増強し寒さに対する抵抗力をつける食材 米、長芋、じゃがいも、キャベツ、栗、鶏肉、うなぎ、たら、いわし、くるみ、羊肉、えびなど
◎腎の陰を補う食材
血や体の水分を滋養し体を潤す食材 ほうれんそう、にんじん、ぶどう、いか、たこ、小松菜、牛乳、卵、チーズ、豚肉、ムール貝、牡蠣など
◎気血の流れをよくする食材
蕎麦、玉ねぎ、チンゲン菜、グリンピース、ジャスミン、みかんなどです。
ウェルカムドリンクは、ジャスミンティー&杏露酒にシナモンスティックを添えて。寒かったので、まずは温まって頂きました。ジャスミンは気を巡らせ、消化器官の働きを調和させます。
まずは、おつまみの「フェットゥンタ」(中部イタリアのトスカーナ州のブルスケッタ) 、フィナンシェ型に入れた「ミニフリッタータ」(イタリア風オムレツ)、「干し柿ロール」。
◎ほうれんそうとリコッタのスフォルマート
スフォルマートは、「型から出した」という意味です。ほうれんそう、リコッタ、卵、パルミジャーノを滑らかにして、オーブンで蒸し焼きにしました。上ににんじんの葉をのせて。ほうれんそう、チーズ、卵で血や体の水分を滋養して、体を潤し腎陰を補います。
◎リボッリータ
「煮直した」という意味のトスカーナ地方の冬の定番料理です。豆をよく食べるこの地方では、豆を煮て食べて、その翌日には、あり合わせの野菜や硬くなったパンと一緒に煮直して食べます。炭水化物、たんぱく質、ビタミン、食物繊維など一皿でバランスの取れた栄養が摂れます。
キャベツ、じゃがいも、白いんげん豆で気を補い、玉ねぎで気を巡らせます。
◎ラムチョップのハーブ衣焼き
ラムチョップをフライパンで焼いて、上からイタリアンパセリ、タイム、ローズマリー、にんにく、ピスタチオ入りのパン粉をかけました。
羊肉は、体を温める力を強め、虚弱を補い腎陽を捕養します。ハーブ類のよい香りは、気を巡らせます。ピスタチオは、腎と消化器官を温め、気を巡らせ消化を助けます。
◎タイム風味のスイートポテト
さつまいもにリコッタ、卵、くるみ、はちみつ、陳皮、タイム、ラム酒などを加えココット型に入れて蒸し焼きにしました。
さつまいもは、気を補い消化器官の働きをよくします。陳皮やタイムで気を巡らせ、くるみは体を温め腎陽を強くします。卵とリコッタで、体の水分を補い、腎陰を補養します。
イタリアの料理動画サイトをご紹介したり、料理本のレシピと今回のレシピを比べたりして、ご参加頂いた皆様と充実した時間を過ごすことができました。
これからも、簡単で、美味しく、体によい料理をご紹介できるように努めてまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。