大阪にて講座付き食事会を5月15日夜に行いました。
会場のパスタピュは、今までわたし個人や当協会がセレクトしてきた飲食店に比べると、少し異例でした。ピュはイタリア語でプラスという意味。
「パスタだけではなく、プラスアルファがある」という意味で、それはカジュアルな雰囲気のお店でありながら、食材を徹底的に吟味したコース料理、そしてワインもしっかり提供できるということでもあるでしょう。野菜・果物・オリーブオイルは有機・無農薬を中心に選んでおられます。


料理人もまた異色のご経歴。オーナーの冨永 律子さんの妹さんである正子さんは、ローマのサンタ・チェチーリア音楽院声楽科卒。声楽家、ピアノ伴奏者としてイタリア各地で活動し、毎年の夏季休暇、ウンブリア州スポレートのゲストハウスでのイタリア家庭料理の調理経験をお持ちです。
ヴァティカンのシスティーナ礼拝堂合唱団付属学校で養成クラスの教諭を勤め、声楽とピアノを指導するかたわら、ローマの日本食レストラン「どうぞ doozo」の経営者として、遠藤和彦シェフと組んでおられました。


イタリア在住歴32年で培った舌と、とくに有機食材・ワインなど生産者への尊敬と愛が深い方とお見受けしました。その正子さんがディレクターとなって、当協会が会員様に配布する「春の食養生とお勧め食材」「夏の食養生とお勧め食材」をベースに、オリジナルコースをお作りいただきました。
今回、このお店を強く勧められた大阪の会員様が、収穫したての大阪伝統野菜「泉州黄玉ねぎ」をお持ちし、使っていただいたカポナータといわしのサオールなどからスタート。この会員様、井手裕子さんが野菜ソムリエの資格をもつため、伝統野菜ストーリーもご紹介。
いわしは気を補い、玉ねぎはその気を巡らせる働きがあり、ヴィネガーと玉ねぎとレーズンによる甘酢味は夏に不足する体の水分を補うと考えられています。


シンプルきわまり、素材の味がダイレクトに伝わるマジョラム・バターセージソースのホウレンソウのラヴィオリは、九州の国産有機小麦粉と平飼い有精卵で作られました。
セージは薬膳食材ではありませんが、欧州医薬品庁の欧州生薬委員会が、エビデンスとしてではなく、伝統的生薬としての伝統的使用による効能「軽度の消化不良の緩和」を認めています。イタリア語でサルヴィアと呼ばれるセージは、古代ローマ時代から使われ、もともと「健康な、無病息災の」というラテン語に由来します。
「この料理とワインの組み合わせで、これだけの相乗効果があるのを初めて体験した」というお客様のお一人の言葉が、この食事会を物語っておられると思います。


オーナーの富永律子さん、ディレクターの富永正子さん、遠藤和彦シェフ、サービスの羽里さん、ピュアで混じりけのない食材とワイン、まさにプラスアルファを心ゆくまで味わうディナーを本当にありがとうございました。


